a2 エンジニア的読書

某SIerに所属するエンジニアの読書記録。個人ブログなので所属組織の見解とは関係ないのでご注意ください。週1本が目標です。

一歩の踏み出しが人生を変える「仕事2.0」(著:佐藤留美,2018)

仕事2.0 人生100年時代の変身力 (NewsPicks Book)

仕事2.0 人生100年時代の変身力 (NewsPicks Book)

本書との出逢い

仕事のあり方を見つめ直してみたいと常日頃から思っていて、そういう課題感が頭のどこか片隅にある状態で、生活していると自然と目につくモノです。普段ならサッと流してしまう、Amazonのレコメンドでふと目に留まったのがきっかけで読むことにしました。おそらく、最近の自分の読書の傾向をAmazonが良しなに分析してくれたのでしょう。

日々、何か課題感を持っていることは大切だなと改めて思いました。自分が今何に興味があり、どのようなことを知りたいのかを意識しながら生活をする事で出会えるものって数多くあるように思うのです。

本書を読む目的

働き方改革」という名のただ単なる早く帰りましょうという世の中の流れに対しては常に疑問を持っている。もちろん高負荷な労働条件で働いている人がいることも事実ではあるし、そのような方を救うためには良いのかもしれない。私は働く時間が短くなっていくことに対して個人的に危機感を持っている。今まで、会社が面倒をみてくれていたことが個人に任されるようになっていく。それをうまく生かせる人とそうでない人の差が確実に出来る。そう考えると自分が将来どうあるべきかを立ち止まって考える時間が必要だと感じてます。それが本書を読む目的です。本を読むという行為は、書かれている内容を理解し活かすことが重要ではあるが、その行為をきっかけに自分自身を深く考え直すことが実は大切だったりする。そういうきっかけや時間を作ってくれるから読書は自分自身に必要なものなんだと再認識する。

「仕事2.0」という本を紹介しつつ、感じたことを残しておきたいと思う。

日本の雇用の問題点

「日本型雇用の”終わり”が始まる」

日本型雇用の問題点を簡潔に記述している。平均寿命は年々伸びている一方で会社の平均寿命は短くなっているのが全体的な社会の流れとなっている。これは、皆さんが肌で感じていることではないでしょうか。それに加えて、「個人が力を持つ時代」へも変化している。会社に属して働くという概念は、高度経済成長期に確立された「常識」であり、それが終わる、そして次の働き方が始まるというのが、タイトルに込められていると感じた。

私が本章から気になったことを書き出すとすると、「新卒一括採用」「ジョブローテーションの仕組み」「社内失業者」の3つ。

新卒一括採用について企業側からみた点で記載されているが、就職をする学生にとって良くないと思っている。波に乗り遅れると就職できない危機感があるから。私も就職活動は追い詰められた人なので、チャンスが1回と感じる仕組みが良いものだと感じていない。そのような状況で自分が本当にやりたいことを見つけて会社選びが出来るだろうか。採用する会社側も優秀な学生をポテンシャルで採用するしかないのが現状だろう。(実際に仕事ができるかどうかは未知数なわけです)

新卒一括採用された人材は、何年かごとにジョブローテーションを行なってジェネラリストとして育てられていくことになる。ジェネラリストというとすごい感じがするが、今後、ジェネラリストは代替可能な職種になる可能性もある。

組織をマネジメントできる、いわば”スーパージェネラリスト”としての役割が求められている。

私が属しているSIerという業種でも、結局、何ができるのかよくわからなジェネラリストは多いと思っていて、顧客とパートナー会社の調整(という名のなんかよくわからないこと)だけやっていれば仕事が成り立っている人がたくさんいると思う。

古い技術しか持ち合わせていない人は、どうしても余剰人員になりやすくなります。実際、日本には現在、社内失業者が460万人以上いると言われています。(ちなみに、社内失業者は英訳不可能。英語圏では、社内失業状態だと即解雇の対象になるからです)

実際に企業に属しているのである程度肌では感じていますが、実際に数字で表されるとその多さにゾッとしました。

上記に挙げた問題点に対応するために、徐々に企業側も変化している様子も本書に記載されています。メガバンクで採用が減っていることにはじまり、最初から専門職として育てる制度、一律初任給を廃止する企業、社内でキャリアアップのためのFA制度など、具体的に記述されています。

この事実を把握しつつ、自分でキャリア計画を練れるか、それを実行できるかが問われているのだと思う。会社側がなんでも教えてくれた時代から、従業員と会社が対等になりつつあるということを肝に命じておく必要があると感じた。

何を意識して働くか

本書を読んだ上で、何を意識して今後働いていけば良いのかを、私なりに最後にまとめておきます。参考になるかどうかはわかりませんが。。。

まず、「自分の市場価値を把握すること」。会社に属していると、会社の肩書きでその人の価値が決まることがほとんどで、個人の名前で見られることはあまりない。私も個人の名前で勝負できるかというとまだまだそうではないことに危機感を覚えました。個人としての市場価値をどうあげるかを考えてそのために会社を活用するくらいの心構えで働くぐらいが必要なのかなと。

「経験に固執せずに学ぶ姿勢」を重視したい。5年先に使える知識は15%という事実を受け止め、新しいことを学ぶ姿勢は重視したい。古い知識をアンラーン(Un-Learn)していくことも大切。意識はそう持っておきたい。

「体験総量をあげる」仕事を積極的に獲得していく。同じ仕事を行なっている方がストレスもなく心地よいかもしれないが、新しい体験をする事で、成功パターンを増やし、持論化することができる。私自身、タフ・アサインメントは本当に成長出来ることを実感しているし、そういう仕事には積極的に参加していく意識も常に持ちたい。 そのために自己アピールを常に行わなくてはいけない。

”新しいことを獲得する方法を知っている“ことが”本当に必要なスキル“。様々な新しいことに取り組む経験をすることが今の自分に必要なことなのだと認識できたことが、本書から得られた収穫です。

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